東京心中・7 【あらすじ・レビュー・試し読み】謎めいたタイトルに隠された深いメッセージとは

作品概要

タイトル： ブラックドッグノービスケッツ-東京心中・7
作者： トウテムポール
出版社： 茜新社（EDGE COMIX）
発売日： 2017年10月
巻数： 7巻（全10巻完結済み）

あらすじ

「ブラックドッグノービスケッツ」という謎めいたタイトルを冠したシリーズ第7弾。宮坂絢と矢野聖司の関係はより深いものへと発展していますが、その一方で新たな問題や課題も浮上してきます。二人を取り巻く環境の変化と、それに伴う心境の変化が丁寧に描かれた、シリーズ後半戦の重要な一冊です。

見どころ

謎に満ちたタイトルの意味

「ブラックドッグノービスケッツ」という独特なタイトルには深い意味が込められています。ブラック（黒）は困難や試練を、ドッグ（犬）は忠実さや愛情を、ノービスケッツ（ビスケット）は日常の小さな幸せを象徴していると考えられます。このタイトルが物語全体に与える意味を読み解く楽しさがあります。

より複雑化する人間関係

シリーズが進むにつれて、宮坂と矢野を取り巻く人間関係がより複雑になってきます。職場での新しい人々との出会い、古い友人との再会、家族関係の変化など、多面的な人間関係の変化が二人の関係にも影響を与えていきます。

成熟した大人の恋愛

この巻では、二人の関係がより成熟した大人の恋愛へと発展していることが感じられます。単純な恋愛感情を超えた、人生のパートナーとしての深い絆が描かれており、読者も二人の成長を実感できます。

現実的な問題への向き合い方

仕事上のストレス、将来への不安、周囲からの期待など、現実的な問題に向き合う二人の姿が描かれています。これらの問題を二人でどう乗り越えていくかが見どころで、多くの読者が共感できる内容になっています。

トウテムポール流のユーモア

シリアスな展開の中にも、作者独特のユーモアが散りばめられています。重くなりがちなテーマを適度な軽さでバランス良く描く手法により、読者は最後まで楽しく読み進めることができます。

作者の特色・技法

この巻では、トウテムポールさんの表現技法がより洗練されています。特に、複雑な感情を表現する際の微妙な表情の描き分けや、心理状態を表すコマ割りの工夫が見事です。また、日常的な会話の中に重要なメッセージを込める技法も巧みで、何度読み返しても新しい発見があります。

ジャンルとしての評価

ワーキングBLとして、恋愛関係の更なる深化と、それに伴う新たな課題を扱った意欲的な作品です。シリーズが長期化する中で、マンネリ化を避けつつ新鮮さを保ち続けている点が高く評価されます。また、現代社会で働く大人が直面する様々な問題を丁寧に描いており、ジャンルを超えて多くの読者に響く内容となっています。

総合評価

★★★★☆ 4/5
謎めいたタイトルに込められた深いメッセージと、より成熟した二人の関係の描写が印象的な作品です。シリーズ後半戦の重要な位置を占める一冊として、ファンの期待に応える充実した内容になっています。複雑化する人間関係の中で、変わらない二人の絆の強さを感じられる良作です。

こんな人におすすめ

• シリーズの継続読者で二人の関係の発展を見守りたい人
• 複雑な人間関係を描いた作品を好む人
• 現実的な問題に向き合う大人の恋愛を求める人
• 作品のタイトルや設定に込められた意味を読み解くのが好きな人