東京心中･10- 【あらすじ・レビュー・試し読み】ついに完結！感動の最終巻で二人の永遠の愛を描く名作フィナーレ

作品概要

タイトル： 寿-東京心中･10-
作者： トウテムポール
出版社： 茜新社（EDGE COMIX）
発売日： 2021年3月
巻数： 10巻（完結）

あらすじ

岩手から来た宮坂、大阪から来た矢野さん。地方出身者あこがれの”東京”で二人は出会いました。そして数年──何もかもが変わりゆく中にも、変わらないものがあって…。お仕事BLの金字塔「東京心中」シリーズ、第10（寿）巻！ここにめでたく完結です。
二人がそれぞれの家族に関係を告白し、真の意味で家族となる過程を描いた、感動的なフィナーレです。

見どころ

「寿」に込められた祝福の意味

「寿」というタイトルには、長寿や幸福、そして祝福の意味が込められています。帯には水引きの「あわじ結び」のイラストと「幾久しく お幸せに──…」の文字が入っており、二人の関係が周囲から祝福される様子が美しく表現されています。まさに完結巻にふさわしいタイトルです。

家族との向き合い

二人がそれぞれの家族に関係を告白するエピソードが描かれます。矢野さんの家族の温かい受け入れと、宮坂の父親と継母とのほろ苦い関係。対照的な家族関係を通して、「家族とは何か」という深いテーマが探求されています。

矢野さんの愛情表現の変化

これまで感情表現が控えめだった矢野さんが、宮坂を見つめる優しい眼差しや愛情深い言葉で、自分の気持ちをはっきりと示すようになります。特に宮坂が辛いときに岩手まで駆けつけるシーンは、多くの読者が涙した名場面です。

宮坂の成長の総決算

シリーズを通して成長してきた宮坂の最終的な姿が描かれます。両親との複雑な関係を受け入れつつも、ひねくれることなく優しさを保ち続ける宮坂の人格の素晴らしさが、改めて実感できます。矢野さんとの出会いが彼の人生をいかに豊かにしたかがよく分かります。

全キャラクター総出演の集大成

完結巻らしく、これまでに登場した主要キャラクターが勢揃いします。宮坂と矢野さんを支えてきた人々との関係性も美しく描かれ、シリーズ全体の総括として完璧な構成になっています。

新しい出発への希望

宮坂の新しい職場での再出発まで描かれ、二人の未来への希望が感じられる終わり方になっています。完結でありながら、これからも続いていく二人の人生への期待が膨らむ、理想的なエンディングです。

作者の特色・技法

完結巻として、トウテムポールさんの作家としての集大成が感じられます。家族関係の複雑さを描く筆致、愛情の深さを表現する技法、そして希望に満ちた未来への視線。すべてが高次元でまとまった、まさに名作の完結巻にふさわしい内容です。

ジャンルとしての評価

ワーキングBLというジャンルの可能性を最大限に引き出した傑作シリーズの完結巻です。恋愛、仕事、家族、友情、そして人生の意味まで、あらゆるテーマを含みながら、最後まで一貫した視点と温かさを保ち続けました。BLというジャンルを超えて、現代人の生き方を描いた文学作品としても評価される内容です。

総合評価

★★★★★ 5/5
完璧な完結巻です。10巻にわたって描かれてきた宮坂と矢野さんの物語が、最も美しい形で結実しています。読者が二人と共に過ごしてきた時間への感謝の気持ちと、幸せな結末への安堵感で胸がいっぱいになります。「この漫画と人生を送れて嬉しかった」という読者の感想が全てを物語る、真の名作です。

こんな人におすすめ

• シリーズを最初から読んできたすべての読者
• 完結巻として美しいエンディングを求める人
• 愛と家族をテーマにした感動作品を読みたい人
• 人生の意味について深く考えたい人