付き合ってあげてもいいかな 14巻 レビュー：ついに迎える感動の最終巻

作品概要

タイトル： 付き合ってあげてもいいかな
作者： たみふる
出版社： 小学館（裏サンデー女子部）
発売日： 2025年4月
巻数： 14巻 ※シリーズ最終巻

あらすじ

「一緒にいようね。これからもずっと。」友情を超えた関係を続けながらも「二度も失恋したくない」とみわと付き合おうとしない冴子と、冴子への確かな愛を自覚するみわ。
二人の関係はついに重要な局面を迎えます。かけがえのないあなたと巡り会えたことを喜び、平熱の幸せを尊ぶ、待望の最終巻です。

見どころ

冴子の最終的な心境の変化

「二度も失恋したくない」という恐れを抱えていた冴子が、これまでの経験を通じて自分の気持ちと向き合う姿が描かれます。13巻から続く二人の関係がどのような結末を迎えるのか、冴子の心理的な成長と変化が丁寧に描写されており、読者は彼女の最終的な決断を見守ることになります。この過程は非常に感動的で印象深いものとなっています。

みわの恋愛における成長の完成

様々な恋愛を経験してきたみわが、最終的にどのような結論に辿り着くのかが美しく描かれています。初恋の志帆先輩、環との関係、そして冴子との複雑な関係を経て、みわが自分にとって本当に大切なものが何なのかを理解していく過程は、恋愛における自己発見の物語として非常に説得力があり、読者の共感を呼びます。

「平熱の幸せ」というテーマ

激情的な恋愛ではなく、「平熱の幸せ」を尊ぶという価値観が最終巻のテーマとなっています。日常的で安定した幸福の価値を描くことで、恋愛に対する成熟した視点を提示しており、多くの読者にとって共感できる結論となっています。この概念は作品全体の集大成として機能しています。

シリーズの完結への期待と満足

長期連載作品としての完結がどのような形で描かれるのか、読者の期待に応える内容となっています。これまでの巻で積み重ねてきた要素や伏線がどのように回収され、二人の関係がどのような着地点を見つけるのかが見どころです。読者が長く愛してきたキャラクターたちの物語の結末を、安心して楽しむことができる構成となっています。

作者の特色・技法

たみふるさんの集大成として、全ての技術が最高レベルで発揮された最終巻です。特に感情の表現技術が秀逸で、読者は登場人物たちの気持ちを完全に理解し共感することができます。また、シリーズを通して積み重ねてきた要素を見事にまとめ上げる構成力も優れており、読者が納得できる結末を創り上げる手腕は見事の一言です。

ジャンルとしての評価

百合・ガールズラブジャンルにおいて、長期連載作品の理想的な完結を見せてくれる重要な作品です。恋愛の複雑さと美しさを描きながらも、読者が納得できる結末を提示することで、ジャンルに大きな貢献をしています。様々な恋愛の形を経験した後に辿り着く結論という物語構造は、今後の作品にも影響を与える可能性があります。

総合評価

★★★★★ 5/5

シリーズの完結巻として、読者の期待に応える内容となっています。登場人物たちの成長の軌跡と、最終的に辿り着く結末は、多くの読者に深い感動と満足感をもたらすでしょう。恋愛漫画として高い完成度を誇り、長く愛され続けるであろう名作の締めくくりにふさわしい、記念すべき最終巻です。

こんな人におすすめ

• シリーズを愛読してきたすべてのファンの方
• 長期連載作品の完結を見届けたい読者
• 恋愛の成熟した形を描いた作品を求める方
• 質の高い完結を迎えた名作を読みたい方