BEASTARS 12巻 レビュー：新章開幕！種間関係編スタートで物語が大きく変化

作品概要

タイトル： BEASTARS 12巻
作者： 板垣巴留
出版社： 秋田書店（少年チャンピオン・コミックス）
発売日： 2019年2月
巻数： 第12巻

あらすじ

食殺事件編が終わり、物語は新たな段階「種間関係編」へと突入します。前巻の衝撃的な結末を受けて、レゴシとルイの関係、そして学園や社会全体に大きな変化が訪れます。
二人の主人公それぞれの新たな道のりと、肉食獣と草食獣の関係性をより深く探求する物語が展開されていきます。
これまで積み重ねられた要素が新たな形で発展していく転換点となる巻です。

見どころ

新章「種間関係編」の幕開け

食殺事件という大きな謎が解決された後、物語は種族間の関係性により深く焦点を当てた新たな展開へと向かいます。これまで以上に複雑で深いテーマが扱われ、作品の社会派的な側面がより強調される方向性が示されています。

レゴシの新たな立場と課題

前巻の出来事を受けて、レゴシが置かれた新しい立場と直面する課題が描かれます。これまでとは違う複雑な状況の中で、彼がどのような選択をし、どう成長していくのかが新たな物語の軸として設定されています。

ルイの変化と新たな道のり

裏社会での経験を経たルイの変化と、彼が歩むことになる新たな道のりが描かれます。学園のスターから裏社会のボスへ、そしてさらなる変化へと向かう彼の人生の軌跡は、読者に強い印象を残します。

社会全体への影響と波紋

二人の主人公の行動が学園や社会全体に与える影響と波紋が描かれ、個人の物語から社会全体の変化へとスケールが拡大されています。より大きな視点からの物語展開が期待される展開となっています。

作者の特色・技法

画力：新章に入り、キャラクターの表情や心境がより成熟した表現で描かれています。これまでの積み重ねを活かした、より深みのある描写技法が発揮されています。

演出：大きな転換点を迎えた物語の方向性を示す演出が効果的に配置されています。読者に新たな期待を抱かせながら、これまでの要素も大切にした巧妙な構成となっています。

ジャンルとしての評価

学園青春ものから社会派ドラマへと発展し、作品の射程がさらに広がった重要な巻です。個人の成長物語から社会全体の変革をテーマにした物語へと進化し、より普遍的なテーマを扱う作品として位置づけられています。

総合評価

★★★★☆ 4/5
物語の大きな転換点として、新たな展開への期待を十分に感じさせる内容です。これまで積み重ねられた要素を活かしながら、新しいテーマと方向性を示すことに成功しており、読者を次の展開へと強く引きつけます。食殺事件編の終了という区切りを迎えながらも、物語はより深く、より広いスケールで展開される予感を抱かせる充実した巻となっています。

こんな人におすすめ

• 物語の新たな展開を楽しみにしている読者
• 社会派的なテーマに興味がある方
• キャラクターのさらなる成長を見たい読者
• より深いテーマ性を求める方