BEASTARS 6巻 レビュー：レゴシとハルついに両想い？密室での告白と衝撃のルイの決断

作品概要

タイトル： BEASTARS 6巻
作者： 板垣巴留
出版社： 秋田書店（少年チャンピオン・コミックス）
発売日： 2018年1月
巻数： 第6巻

あらすじ

激闘の末、シシ組からハルを救出したレゴシ。ハルと2匹で帰宅途中、終電を逃してしまい、ホテル泊を余儀なくされました。密室という特別な空間で、レゴシが過去の罪を自白する重要な場面が描かれます。
一方、ジュノの積極的なアプローチがハルとレゴシの関係に新たな波紋を呼び、ルイには人生を左右する大きな決断が迫っています。

見どころ

密室での心の交流と告白シーン

ホテルという密室空間で展開されるレゴシとハルの心の交流が、この巻最大の見どころです。レゴシが自分の過去と内面の葛藤を正直に打ち明ける場面は、両者の関係性を決定づける重要なシーンとなっています。繊細で美しい心理描写が読者の心を強く打ちます。

ジュノの積極的なアプローチ

雌狼ジュノが見せる積極的で戦略的なアプローチが物語に新たな緊張感をもたらしています。同種族であることの優位性を活かした彼女の行動は、ハルとの対比を際立たせ、種族を超えた恋愛の困難さを改めて浮き彫りにしています。

ルイの衝撃的な決断と行方

これまで学園のスターとして君臨していたルイが下した衝撃的な決断が描かれます。彼の選択は物語の今後の展開に大きな影響を与える重要な要素となっており、読者に強いインパクトを与えます。ルイの複雑な心境も丁寧に表現されています。

種族の壁を越えた愛の成就への道筋

レゴシとハルの関係が大きく前進し、種族の違いを越えた真の理解と愛情が芽生える過程が美しく描かれています。二人の関係性の変化は、作品全体のテーマである「共存」の可能性を示す象徴的な展開となっています。

作者の特色・技法

画力：密室での心理的距離感の変化を表情と構図で巧みに表現し、キャラクター同士の微妙な感情の動きを丁寧に描写しています。特にハルの複雑な心境を表す表情描写が印象的です。

演出：静かな空間での内面的なやりとりと、外部で起こる激動の対比が効果的に演出されています。密室という限られた空間を最大限に活用した心理劇の構成が秀逸です。

ジャンルとしての評価

恋愛漫画としての要素が大幅に強化され、種族を超えた愛をテーマにした作品として大きな進展を見せています。前巻のアクション要素と今巻の心理的要素のバランスが絶妙で、多角的な魅力を持つ作品として完成度を高めています。

総合評価

★★★★☆ 4/5
レゴシとハルの関係が大きく進展し、物語の恋愛要素が美しく開花した記念すべき巻です。密室での告白シーンは作品屈指の名場面で、読者の心に深く刻まれる内容となっています。ジュノの存在感とルイの衝撃的な決断も相まって、今後の展開への期待を大いに高める充実した内容です。

こんな人におすすめ

• 種族を超えた恋愛ストーリーに感動したい読者
• 心理的な成長と関係性の変化を楽しみたい方
• 密室での心の交流を描いた作品が好きな読者
• キャラクターの重要な決断と転機に立ち会いたい方