BEASTARS 5巻 レビュー：ハル奪還作戦でレゴシが覚醒！シシ組との死闘で見せた狼の本能

作品概要

タイトル： BEASTARS 5巻
作者： 板垣巴留
出版社： 秋田書店（少年チャンピオン・コミックス）
発売日： 2017年10月
巻数： 第5巻

あらすじ

隕石祭が迫る中、ジュノとルイが次なるビースターの座を目指して対峙し、肉食獣と草食獣の静かなる戦いが始まります。
一方、ハルのことを好きだと気づいたレゴシが意を決して告白しようとした矢先、そのハルが何者かに攫われてしまいました。
愛する人を奪われたレゴシが、これまでにない決意と行動力を見せる、物語の大きな転換点となる巻です。

見どころ

レゴシの劇的な成長と覚醒

これまで内向的で消極的だったレゴシが、ハルを救うために劇的な変化を遂げます。大切な人を守るという強い意志によって、彼の中に眠っていた狼としての本能と勇気が覚醒する姿は圧巻です。今まで見せたことのない積極性と行動力で、読者に強い印象を残します。

シシ組との迫力ある戦闘シーン

ハル救出のためにシシ組のアジトに乗り込むレゴシの戦闘シーンは、作品屈指の見どころです。これまでの繊細な心理描写から一転して、肉食獣同士の激しいバトルが展開されます。レゴシの狼としての戦闘能力と、それに立ち向かう意志の強さが見事に表現されています。

ジュノとルイのビースター争い

後輩の雌狼ジュノとルイによるビースターの座を巡る争いが本格化します。それぞれが持つビースターへの想いや価値観の違いが明確に描かれ、肉食獣と草食獣という立場の違いから生まれる対立が物語に深みを与えています。

愛を原動力とした物語の転換

レゴシの行動原理が「愛」へと明確に変化し、物語の方向性が大きく転換します。これまでの内省的な青春群像劇から、アクション要素を含む冒険活劇へと発展し、読者により強い興奮と感動を提供します。

作者の特色・技法

画力：戦闘シーンでのダイナミックな動きの表現が素晴らしく、レゴシの本能が目覚める瞬間の表情描写が特に印象的です。これまでとは違う力強い表現技法が多用されています。

演出：静から動への劇的な転換を効果的に演出し、読者の心境を物語と同調させる技術が光っています。特にハル救出シーンでのテンポの良いコマ割りと構成が秀逸です。

ジャンルとしての評価

学園青春ものから冒険活劇への転換を成功させた重要な巻です。これまで積み重ねてきたキャラクター描写を活かし、より大きなスケールでの物語展開を実現しています。少年漫画らしい熱血要素が加わり、幅広い読者層にアピールする内容となっています。

総合評価

★★★★☆ 4/5
物語の大きな転換点となる重要な巻で、レゴシの成長と覚醒が見事に描かれています。これまでの静的な展開から一転して、迫力ある戦闘シーンと感動的な救出劇が展開され、読者を強く引きつけます。ジュノとルイの対立も興味深く、今後の展開への期待を大いに高める充実した内容です。

こんな人におすすめ

• キャラクターの成長と覚醒を描いた作品が好きな読者
• 迫力ある戦闘シーンを楽しみたい方
• 愛をテーマにした冒険活劇に興味がある読者
• 物語の大きな転換点を体験したい方