BEASTARS 4巻 レビュー：ハル誘拐事件で急展開！愛を自覚したレゴシの運命が激変

作品概要

タイトル： BEASTARS 4巻
作者： 板垣巴留
出版社： 秋田書店（少年チャンピオン・コミックス）
発売日： 2017年10月
巻数： 第4巻

あらすじ

ハルへの想いを募らせるレゴシでしたが、そのハルには大好きな獣がいることが判明します。一方で、レゴシを慕う後輩の美しい雌狼ジュノも登場し、恋愛関係はより複雑に。そんな中、恋人たちの一大イベントである「隕石祭」が迫る中、ハルのことを好きだと気づいてしまったレゴシが意を決して告白しようとした矢先、そのハルが何者かに攫われてしまうという衝撃的な展開が待ち受けています。

見どころ

レゴシの恋心の自覚と成長

ついにハルへの恋心を明確に自覚したレゴシの心境の変化が丁寧に描かれています。これまでの混乱した気持ちから一歩前進し、自分の感情と真摯に向き合う姿は、彼の精神的成長を表す重要な場面です。告白への決意を固める過程が感動的に表現されています。

ジュノという新たな恋愛要素

後輩の雌狼ジュノの登場により、恋愛関係に新たな三角関係の要素が加わります。美しく聡明な彼女がレゴシに抱く想いと、同じ肉食獣同士という共通点が、物語に新たな複雑さをもたらしています。ジュノのキャラクター設定も魅力的です。

ハル誘拐事件という衝撃的展開

平和な学園生活から一転、ハルが何者かに攫われるという衝撃的な事件が発生します。この突然の展開は読者に強いインパクトを与え、物語の緊張感を一気に高めています。恋愛中心だった流れから一転してサスペンス色が強まります。

隕石祭のロマンチックな雰囲気と現実のギャップ

美しい隕石祭の描写と、その最中に起こる深刻な事件のコントラストが効果的に描かれています。祭りの華やかさと事件の重大さのギャップが、読者により強い印象を残し、物語の展開に大きなメリハリを生んでいます。

作者の特色・技法

画力：感情の高まりを表現する際の表情描写が特に優れており、レゴシの決意に満ちた表情や、事件発生時の緊張感ある表情が印象的です。ジュノの美しい容姿も魅力的に描かれています。

演出：平穏な日常から一転して事件が発生する場面での演出が秀逸です。コマ割りや構図の変化により、読者の心境を物語の展開と連動させる技術が向上しています。隕石祭の美しい場面と事件の暗い場面の対比も効果的です。

ジャンルとしての評価

学園恋愛ものからサスペンス要素を含む群像劇へと発展し、ジャンルの幅を大きく広げた重要な巻です。恋愛関係の複雑化と事件の発生により、物語の展開に大きな転換点をもたらしています。読者の興味を強く引きつける展開力が評価されます。

総合評価

★★★★☆ 4/5
恋愛関係の進展と衝撃的な事件発生により、物語が新たな段階に突入した重要な巻です。レゴシの成長、ジュノという新キャラクターの魅力、そしてハル誘拐事件という予想外の展開が絶妙に組み合わされ、読者を強く引きつけます。隕石祭の美しい描写も印象的で、恋愛とサスペンスのバランスが取れた優秀な内容です。

こんな人におすすめ

• 恋愛とサスペンスの両方を楽しみたい読者
• 三角関係の恋愛模様に興味がある方
• 物語の急展開やどんでん返しが好きな読者
• キャラクターの成長過程を丁寧に描いた作品を求める方