BEASTARS 11巻 レビュー：レゴシVSリズ最終決戦！衝撃の結末で物語が新段階へ

作品概要

タイトル： BEASTARS 11巻
作者： 板垣巴留
出版社： 秋田書店（少年チャンピオン・コミックス）
発売日： 2018年11月
巻数： 第11巻

あらすじ

テム食殺事件の解決を図るレゴシと口封じを目論むリズが更衣室で遭遇し、超獣同士の死闘が開幕します。
しかし清掃員の邪魔が入り勝負は中断、大晦日の再戦を誓い合います。後日レゴシは女装して裏市に潜入し、決闘の立ち会いをルイに依頼。大晦日まで、あと3日。
最終決戦が迫る中、予想もしなかった衝撃的な結末が待ち受けています。

見どころ

レゴシとリズの本格的な死闘

ヒグマのリズとハイイロオオカミのレゴシという、共に強力な肉食獣同士の本格的な戦闘シーンが圧巻です。これまで積み重ねてきた修行の成果を発揮するレゴシと、圧倒的な体格と力を持つリズの対決は、シリーズ屈指の迫力ある戦闘として描かれています。

女装レゴシという意外な展開

裏市に潜入するために女装するレゴシという、作品らしいユニークな展開が読者に印象を残します。シリアスな展開の中にも作者独特のユーモアが織り込まれ、緊張の中にも笑いの要素が巧妙に配置されています。

ルイの覚悟と決意

シシ組のボスとして裏社会に身を置くルイの覚悟がより深く描かれています。レゴシとの再会を通じて、それぞれが歩んできた道のりと現在の立場の違いが浮き彫りになり、二人の友情と対比が感動的に表現されています。

衝撃的な結末とタブーの破綻

物語のクライマックスで描かれる衝撃的な結末は、読者の予想を大きく裏切る展開となっています。これまで作品で描かれてきた価値観やタブーが破られる瞬間は、物語を根本から揺さぶる重大な転換点となっています。

作者の特色・技法

画力：激しい戦闘シーンでの動的な表現と、静かな心理描写での繊細な表情の描き分けが見事に両立されています。特に決戦シーンでの迫力ある構図と演出は圧巻です。

演出：長期間積み重ねてきた物語の集大成として、読者の期待を裏切りながらも納得させる結末への導き方が巧妙です。衝撃的な展開でありながら、キャラクターの動機や心境が丁寧に描かれています。

ジャンルとしての評価

食殺事件編の完結として、ミステリー要素とバトル要素を見事に融合させた構成力の高い巻です。これまでの価値観を覆す結末により、物語は新たな段階へと向かい、読者に強烈なインパクトを残すことに成功しています。

総合評価

★★★★★ 5/5
シリーズの大きな転換点となる記念すべき巻で、すべての展開がこの巻のために積み重ねられてきたと感じさせる完成度の高い内容です。戦闘シーンの迫力、キャラクターの心境の変化、そして衝撃的な結末すべてが読者の心を強く打ちます。食殺事件編の集大成として、また新たな物語の出発点として、シリーズ屈指の名巻と言えるでしょう。

こんな人におすすめ

• 激しい戦闘シーンを楽しみたい読者
• キャラクターの覚悟と決意を見届けたい方
• 衝撃的な展開と結末を体験したい読者
• 物語の大きな転換点を目撃したい方