HUNTER×HUNTER 7巻レビュー:ゴン対ヒソカ、宿命の対決と成長の証明

少年漫画

作品概要

タイトル: HUNTER×HUNTER 7 作者: 冨樫義博 出版社: 集英社(ジャンプコミックス) 発売日: 2000年1月 巻数: 第7巻 ※シリーズ全38巻継続中

あらすじ

2か月間の特訓を終えたゴンは、ついにヒソカとの約束の対戦に挑みます。一方、キルアギドとの戦いで見事に勝利を収めます。
そして物語は新たなステージへ。ゴンとキルアは9月1日にレオリオとの約束通りヨークシンシティで再会する予定ですが、その前にゴンの故郷であるくじら島を訪れることになります。
そこでゴンは父ジンが残した重要な手がかりを発見し、新たな冒険への扉が開かれることになります。

あらすじ

2か月間の特訓を終えたゴンは、ついにヒソカとの約束の対戦に挑みます。独自の念能力「ジャジャン拳」を完成させたゴンの成長ぶりは目覚ましく、ヒソカとの白熱した攻防が繰り広げられます。一方、キルアギドとの戦いで圧巻の勝利を収め、200階フロアマスターへの道筋を確実にします。天空闘技場編の集大成として、二人の成長が遺憾なく発揮される感動的な一冊です。

見どころ

ゴンの念能力「ジャジャン拳」の完成

この巻最大の見どころは、ゴン独自の念能力「ジャジャン拳」の完成と実戦での披露です。「最初はグー」の掛け声と共に放たれる強化系の必殺技は、ゴンの性格と完璧にマッチした能力として描かれています。グー(単純な強化)、チー(遠距離攻撃)、パー(広範囲攻撃)という3つのバリエーションは、戦術的な幅を持ちながらも分かりやすい設定で、読者にとって印象深い能力となっています。

ゴン対ヒソカの激闘

ハンター試験から続く因縁の対決が、ついに対等な条件で実現します。ヒソカの「バンジーガム」とゴンの「ジャジャン拳」による高度な駆け引きは、念能力バトルの醍醐味を存分に味わえる名勝負です。特にゴンが一瞬の隙を突いてヒソカの頬に拳を当てる場面は、彼の成長を象徴する感動的なシーンとして描かれています。実力差がありながらも、ゴンの純粋な戦闘への情熱がヒソカを満足させる結果となります。

キルアの電撃系能力の本格披露

キルア対ギドの戦いでは、雷掌や電光石火といった電撃系能力が本格的に披露されます。ヨーヨーを使った攻撃を電撃で無力化し、一瞬で勝負を決めるキルアの戦闘センスは圧巻です。暗殺者としての冷徹さと、技術的な完成度の高さが見事に表現されており、ゴンとは全く異なる戦闘スタイルの魅力が際立っています。

新章への橋渡しと父親の手がかり

天空闘技場編の終結と共に、物語は新たな展開への準備段階に入ります。ゴンの故郷訪問や、父ジンが残した手がかりへの言及など、次なる冒険への伏線が巧みに配置されています。特に「グリードアイランド」への言及は、読者の期待を大きく膨らませる重要な要素として機能しており、物語の連続性と発展性を見事に演出しています。

作者の特色・技法

冨樫義博先生の戦闘描写技術が特に光る巻です。ゴンとヒソカの戦いでは、スピード感と緊張感を両立させたコマ割りが秀逸で、読者が息を呑む展開の連続となっています。また、念能力の視覚的表現も非常に巧みで、特にジャジャン拳のオーラの描写は迫力満点です。キャラクターの感情表現も細やかで、ヒソカの満足した表情やゴンの達成感など、心理状態が画面から伝わってくる技術力の高さを見せています。

ジャンルとしての評価

能力バトル漫画における「成長の証明」というテーマを見事に描いた傑作です。単純な勝敗ではなく、ゴンがヒソカに一撃を当てることで成長を証明するという構成は、従来のバトル漫画の枠を超えた深い満足感を読者に与えます。また、各キャラクターの能力が個性と密接に結びついている設定は、能力バトルものの理想的な形として、ジャンル全体に大きな影響を与えています。

総合評価

★★★★★ 5/5 天空闘技場編の集大成として、HUNTER×HUNTERの魅力がすべて詰まった傑作の巻です。ゴンの成長、独自能力の完成、ヒソカとの因縁決着、そして新展開への期待感など、あらゆる要素が最高レベルで融合しています。念能力バトルの醍醐味と、キャラクターの成長ドラマを両立させた名作として、シリーズ中でも特に印象深い一冊です。

こんな人におすすめ

  • キャラクターの成長と能力完成の過程を楽しみたい方
  • 因縁の対決や宿命的な戦いを重視する方
  • 個性的で印象深い必殺技や能力に魅力を感じる方
  • 戦闘の勝敗を超えた深いテーマ性を求める方
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