BEASTARS 8巻 レビュー：レゴシ修行編開始！ゴウヒンとの特訓で肉座禅の真髄に迫る

作品概要

タイトル： BEASTARS 8巻
作者： 板垣巴留
出版社： 秋田書店（少年チャンピオン・コミックス）
発売日： 2018年7月
巻数： 第8巻

あらすじ

シシ組のボスとなったルイは、肉食獣社会との差異に苦悩しながらも、裏の世界からこの世の真実を探求していくことを決意します。一方、テム食殺事件の犯人捜しを進めるレゴシを何者かが襲撃！その怪力の持ち主の前に圧倒的敗北を喫したレゴシは、強くなるためについにゴウヒンのもとを訪ね、本格的な修行を開始します。

見どころ

レゴシを襲った謎の強敵

レゴシが何者かに襲撃されるという衝撃的な展開から巻が始まります。その圧倒的な怪力を持つ正体不明の相手は、レゴシにとって大きな脅威となり、物語に新たな緊張感をもたらします。この敗北が彼の成長への大きなきっかけとなる重要な出来事です。

ゴウヒンとの本格的な師弟関係

パンダのゴウヒンのもとでの修行が本格的に開始され、レゴシとゴウヒンの師弟関係が深く掘り下げられます。厳しくも愛情深いゴウヒンの指導方針と、それに応えようとするレゴシの成長意欲が丁寧に描かれ、読者に感動を与えます。

肉座禅という独特な修行法

作品独自の概念である「肉座禅」が詳しく描かれ、肉食獣としての本能と理性のバランスを取るための修行法が興味深く表現されています。この精神的かつ肉体的な鍛錬は、レゴシの内面的成長を象徴する重要な要素となっています。

ルイの裏社会での葛藤の深化

草食獣でありながら肉食獣の組織を率いるルイの苦悩がさらに深く描かれています。種族の違いから生まれる根深い問題と、それでも前進しようとする意志の強さが印象的に表現され、キャラクターとしての魅力を大幅に向上させています。

作者の特色・技法

画力：修行シーンでの身体の動きや表情の変化が非常に丁寧に描かれ、レゴシの肉体的・精神的成長が視覚的にも伝わってきます。ゴウヒンの貫禄ある表現も印象的です。

演出：修行という地道な過程を飽きさせることなく描く構成力が光っています。内面の変化と外面の成長を同時に表現する技術が向上し、読者により深い感動を与えています。

ジャンルとしての評価

修行ものとしての要素が加わり、少年漫画らしい成長譚としての魅力が大幅に強化されています。心理的成長と肉体的鍛錬を両立させた独特なアプローチは、従来の修行もの作品とは一線を画す新鮮さを持っています。

総合評価

★★★★☆ 4/5
レゴシの新たな成長段階が始まる重要な巻で、師弟関係を通じた人間的成長が美しく描かれています。肉座禅という独特な概念も興味深く、読者により深い作品世界への理解をもたらします。ルイの苦悩も並行して描かれ、二人の主人公それぞれの成長過程が対比的に表現された充実した内容です。

こんな人におすすめ

• 修行を通じたキャラクターの成長を見たい読者
• 師弟関係を描いた作品が好きな方
• 精神的・肉体的な鍛錬に興味がある読者
• キャラクターの内面的変化を丁寧に描いた作品を求める方