東京喰種トーキョーグール:re 13巻 レビュー:カネキとトーカ結婚!オッガイの脅威が24区に迫る

青年漫画

作品概要

タイトル: 東京喰種トーキョーグール:re
作者: 石田スイ
出版社: 集英社(ヤングジャンプコミックス)
発売日: 2017年10月
巻数: 13巻

あらすじ

東京地下24区に避難した黒山羊のメンバーたちは、束の間の平和を享受していました。その中で、ついにカネキトーカが結ばれ、仲間たちに祝福される結婚式を挙げます。

しかし、地上では和修吉福新局長の指揮の下、オッガイと呼ばれる新戦力が投入され、全喰種の殲滅を目指す「東京完塞」作戦が開始されます。

運命の日である4月23日が近づく中、24区にもオッガイの脅威が迫り、鈴屋什造をはじめとする強敵たちがカネキたちの前に立ちはだかります。

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見どころ

カネキとトーカの感動的な結婚式

シリーズを通じて育まれてきたカネキとトーカの愛が、ついに結実する感動的な結婚式が描かれます。24区の仲間たちに祝福される二人の姿は、長年のファンにとって最も待ち望んでいた瞬間の一つです。トーカの美しいウェディングドレス姿や、カネキの幸せそうな表情は、読者の心を温かくします。この平和な時間が、その後の激戦をより印象深いものにしています。

オッガイの恐ろしい殺戮能力

和修吉福によって投入されたオッガイの圧倒的な戦闘力と、その冷酷な殺戮能力が恐ろしく描かれています。クインクス班の上位互換として設計された「黒い子供たち」は、従来の喰種では太刀打ちできない脅威として君臨します。彼らの機械的で容赦ない戦闘スタイルは、読者に新たな恐怖を植え付けます。

鈴屋什造の「死神」としての覚醒

CCGの特等捜査官として成長した鈴屋什造が、「死神」として24区に降り立つ姿は圧巻です。無印からの彼の成長過程を知る読者にとって、その変貌ぶりは衝撃的でもあります。冷徹でありながらも独特の美学を持つ彼の戦闘スタイルは、物語に新たな緊張感をもたらします。

24区という新世界の魅力

「隻眼の喰種」によって開拓された地下24区の神秘的な世界観が詳しく描かれています。巨大な地下空間に築かれた喰種たちの理想郷は、美しくも脆い存在として表現されています。この空間での生活の様子や、喰種たちが築いた独自の文化が興味深く描写されています。

カネキの「黒い涙」と運命の予感

カネキの頬を伝う「黒い涙」は、彼の肉体に限界が近づいていることを示唆する不吉な兆候として描かれています。幸福の絶頂にある彼に迫る危機の予感は、読者に深い不安と緊張感を与えます。この象徴的な描写は、物語の悲劇的な展開への布石となっています。

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作者の特色・技法

石田スイの感情表現の技術が最高レベルに達した巻の一つです。結婚式の幸福感から一転して迫り来る脅威への恐怖感まで、読者の感情を巧みにコントロールしています。また、オッガイという新たな脅威を描く際のホラー演出も非常に効果的で、読者に強烈な印象を残します。

ジャンルとしての評価

ダークファンタジーとして、幸福と絶望のコントラストを最大限に活用した傑作となっています。愛と平和の象徴である結婚式と、死と破壊の象徴であるオッガイの対比は、ジャンルの持つ表現力を余すところなく発揮しています。

総合評価

★★★★★ 5/5 シリーズの最終章にふさわしい、感動と緊張感が見事に融合した傑作巻です。カネキとトーカの結婚という幸福の頂点と、オッガイの脅威という絶望の淵を同時に描くことで、読者の感情を極限まで揺さぶります。「13」という数字の不吉さも相まって、運命的な展開への期待感を最大限に高める内容となっています。

こんな人におすすめ

  • カネキとトーカの関係を長年見守ってきた方
  • シリーズの最終章を迎える重要な転換点を体験したい方
  • 幸福と絶望のコントラストを楽しみたい方
  • オッガイという新たな脅威に興味がある方

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