BEASTARS 14巻 レビュー：ビースター・ヤフヤとレゴシがついに対面！祖父との因縁が明らかに

作品概要

タイトル： BEASTARS 14巻
作者： 板垣巴留
出版社： 秋田書店（少年チャンピオン・コミックス）
発売日： 2019年7月
巻数： 第14巻

あらすじ

骨肉麻薬の組織を捕まえたレゴシは、ヤフヤと名乗る人物から手紙をもらい、夕食への招待を受けて警視庁へと足を運びます。
現ビースターであるヤフヤは、レゴシの祖父ゴーシャと因縁を持つ人物でした。かつては共に「ビースターズ」を目指していた二人でしたが、ゴーシャの結婚で袂を分かった過去があり、ヤフヤはもう一度ゴーシャを「ビースター」の道へと誘います。

見どころ

ヤフヤとレゴシの初対面

現ビースターであるヤフヤとレゴシの対面シーンは、作品の重要な転換点となります。ヤフヤの独特なキャラクター性と、レゴシに対する興味深い評価が印象的で、今後の展開に大きな影響を与える出会いとして描かれています。

ゴーシャとヤフヤの因縁

レゴシの祖父ゴーシャと現ビースターヤフヤの過去の関係が明かされ、二人がかつて共にビースターを目指していたという意外な事実が判明します。ゴーシャの結婚による道の分かれと、それに対するヤフヤの複雑な感情が丁寧に描かれています。

ハルの家族との夕食シーン

レゴシがハルの家族と夕食を共にするシーンは、種族を超えた関係構築の困難さと可能性を同時に示しています。最初は緊張した雰囲気でしたが、レゴシの誠実な態度がハルの父親に認められる過程が感動的に描かれています。

レゴシとハルの関係進展

ハルの父親から「また遊びにおいで。大きいお箸…用意しておくから」という言葉をかけられるシーンは、二人の関係が新たな段階に入ったことを示す重要な場面です。レゴシの「一匹狼は卒業だ」という言葉も印象的です。

作者の特色・技法

画力：ヤフヤの威厳ある表現と、ハルの家族との温かな食卓の対比が見事に描き分けられています。特にハルの父親の心境の変化を表情で表現する技術が優れており、キャラクターの心の動きが手に取るように伝わってきます。

演出：過去と現在、公的な場面と私的な場面を巧妙に織り交ぜた構成が効果的です。ヤフヤとゴーシャの因縁という重いテーマと、ハル家族との和やかな交流のバランスが絶妙に取られています。

ジャンルとしての評価

社会派要素と恋愛要素を両立させながら、家族の絆や世代を超えた因縁といったテーマも加わり、作品の多層性がさらに高まっています。キャラクター同士の関係性の複雑さと深さが増し、読者により豊かな読書体験を提供しています。

総合評価

★★★★☆ 4/5
重要なキャラクターであるヤフヤの本格的な登場により、物語に新たな展開の可能性がもたらされた重要な巻です。過去の因縁という要素が加わることで物語により深い奥行きが生まれ、同時にレゴシとハルの関係も大きく前進しています。複数の展開が同時に進行しながらも、それぞれが有機的に結びついた優秀な構成となっています。

こんな人におすすめ

• 新たな重要キャラクターの登場を楽しみたい読者
• 世代を超えた因縁や関係性に興味がある方
• レゴシとハルの恋愛関係の進展を見たい読者
• 家族との関係構築を描いた作品が好きな方